経皮的エタノール注入療法:

   percutaneous ethanol injection therapy (PEIT)

 

 PEITは極めて迅速な蛋白凝囚壊死効果を有する純エタノールを,超音波誘導下に直接肝細胞癌の腫瘤内に注入することにより,癌腫組織を壊死に至らしめる治療法である.適応としては原則的に超音波にて描出可能な腫瘤で最大径3cm以内,病変数3個以下のものとしているが,一部の施設においては複数本の穿刺針を用い,その部位決定においてCTを補助手段とし大きな腫瘤においても試みられ,良好な成績が得られている。

 

 実際の手技は超音波画像にて腫瘤を描出し,そのガイド下に穿刺針を直接腫瘤内に刺し,キシロカインを混入した90%エタノールを注入する.エタノールの注人量は腫瘍径により決められ,1回3~5 ml, 週2回,数回繰り返す.大きな腫瘤に試みている施設においては計数百m/注入している.

 

 本療法の特性上非癌肝組織に及ぼす影響が少なく,肝予備能の低下をきたすことは少ない.したがってChi】d B, Cのごとく肝機能低下例においても施行可能である.また宿主に対する侵襲,合併症も少ない特徴を有するが,穿刺時の疼痛対策は十分工夫すべきである.

 

 成績では適応を考慮すれば外科的療法に匹敵,あるいは凌駕する生命予後が期待できる.特にvascularityの乏しい高分化肝癌においては周囲のmicro-satellite noduleの存在の可能性は少なく, PEITにて根治可能である.