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まとめるように動いた人間に報いることが考えられる。これはいまだ実際には行われていない。

 

 第二に、ナノテクノロジーを取り入れ、実を結ばせるには一発勝負ではなく、モチベーション制度および報奨制度はいろいろな取り組みや導入のタイミングがあってよい。ナノテクノロジーはまだ揺籃期にあるので、そのアイディアや戦略は5~10年の問には実を結ばないかもしれない。さらに、新市場に参入する、または新しい社会的ニーズを創造するには、1年以上かかるかもしれない。このような場合には、従来はそのアイディアを思いつくかまたは特許を取得した段階で、技術革新賞を授け、後日そのアイディアが製品化されて実際に市場に投入されたときに、追加的な賞を授けるという方法も考えられた。

 

 スリーエム社(3M、米国ミネソタ州)は、高レベルの製品と技術の多様性、長期ビジョン、および17以上の従業員報奨制度によって、右に述べた方法のうち後者を採っている。技術革新あるいはアイディアを認める賞と、金色ステップ賞とよばれる技術革新を引き維いで生まれる新製品開発を認める賞がある。

 

 ナノテクが導入されるにつれ、販売力およびそのモチベーションシステムの修正を行うことが必要になるだろう。今後は、販売部門の人たちがカタログから既存の製品を販売するのではなく、個々の顧客に合った製品をあつらえることになるだろう。彼らは技術的にいっそう精通する必要があるだろうし、顧客のニーズ、および長期的な外部協力関係や内部チームワークつくりを促進することに対し、優先して、注意深く耳を傾ける必要があるだろう。モチベーションプランでは、商品の売上に対して報いるばかりでなく、新市場開拓、顧客満足度の向上、外部協力関係および内部チームワークつくりの調整、新しい顧客ないしは社会のニーズの把握、といった無形のことに対しても報いるべきである。これらすべては、ナノテクノロジーの進展と研究を活用して初めて可能になる。たしかに、商品の販売高のような具体的な数字に報いることの方がはるかに容易ではあるが、企業が、ナノテク製品の可能性で武装した販売要員から生まれる技術革新および創造性を生かすためには、会社はアイディアとパートナーシップを評価し、報いるにはどうすればよいかを考えなければならなくなるだろう。