生理活性化物質サイトカインの重要な働き

 

私たちの体内では、マクロファージやT細胞、B細胞といった免疫細胞が抗原に反応して、生理活性物質であるサイトカインをつくり出しています。サイトカインは各種の免疫細胞間の調節に重要な役割を果たし、異物が体内に侵入した場合、免疫系を活性化します。

 

 サイトカインにはインターロイキン(1L)やインターフェロン(IFN)、腫瘍壊死因子(TNF)などがあります。インターロイキンは「細胞」、さまざまな白血球相互の情を交換する物質を意味します。インターフェロンは、抗ウイルス活性に作用します。そして、腫瘍壊死因子は腫瘍細胞に対して障害活性を持つ因子として発見されました。

 

 ガンの初期には、免疫が普段よりも活性化されることがわかっていますが、この時、免疫細胞とサイトカインはつぎのように作用しています。

 

 まず、マクロファージがインターロイキンーを放出し、I型のヘルパーT細胞が活性化し、細胞免疫系にスイッ子が入ります。つぎに、この活性化した1型のヘルパーT細胞がインターロイキン2を放出し、キラーT細胞を活性化し、増殖しガンヘの攻撃力を増強します。しかも、活性化したキラーT細胞はインターフェロンアを放出し、NK細胞を活性化し、ガンヘの破壊力を高めます。さらに腫瘍壊死因子も活発に産生され、これらが一丸となってガンを攻撃しているのです。

 

 

 

免疫の最前線で活躍する腸管免疫系

 

 免疫器官には、骨髄や胸腺のほかに、脾臓やリンパ節、腸管、肝臓などがあります。

 

 脾臓は、体の中のいろいろな不純物を取り除くフィルターの役目とともに、T細胞やB細胞をストックしておく働きがあります。

 

 リンパ節(リンパ管が集まった場所)は、T細胞やB細胞が存在し、体外からの侵入物を無毒化して処理します。例えば、瘍口から病原菌が侵入すると、リンパ管に集められます。すると病原菌に対して、ヘルパーT細胞により活性化されたB細胞が抗体をつくり、この抗体が病原菌を処理することになります。

 

 腸管には腸管免疫系があります。口から腸へ、食物をけじめ、病原菌やウイルスなど一緒くたに侵入してくるので、腸では栄養と異物が厳格に識別されることになります。そのため、異物に対する最前線の特別防御機構として、腸管に免疫系が存在するものと考えられます。

 

 なお、胸腺内でT細胞が分化すると述べましたが、それとは別に、腸管や肝臓でもT細胞が分化します。これを、胸腺外分化Tリンパ球といいます。

 

 『日本医師会雑誌(1996年/184巻)』における、銭谷幹男氏の記事中でも、「最近、胸腺外リンパ球分化が、肝臓内で発現していることが、明らかにされている。腸管においても同様の胸腺外リンパ球分化が起こっていることが、石川博士らの研究グルフによって明らかにされている」と報告されています。

 

 この胸腺に由来しない分化ということは、大きな意味を持ちます。つまり、胸腺内のT細胞分化は10代半ばぐらいで最大になり、年齢とともに機能が低下し、40代を過ぎる頃にはほとんど行なわれなくなります。したがって、胸腺外でのT細胞の分化は、一段と価値ある存在になるというわけです。