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リウマチ熱を徹底解説


 リウマチ熱は、A群β溶連菌(以下GAS)による咽頭喉頭炎の後に発症する。 GASの菌体成分とヒト心筋の共通抗原などが知られており、発症にはGAS感染と免疫機構が関与する。家族内発生が多いこともこれを裏づける。

 本症発症とGAS保有期間および感染症状の強弱にも関係があり、日常的に抗生物質が投与できるわが国において、本症はまれな疾患となった。しかし、現在でも少数ながら弁置換を要する患児も存在し、また抗生物質投与が一般的でない東南アジア諸国では、なお本症の頻度は高く、米国での多発例の報告もあり、今なお留意すべき疾患である。

 好発年齢は6歳以降の小児期である。

1……診断

 GAS感染の急性症状が消失して1~5週間後に、発熱、食思不振、顔面蒼白、全身倦怠、易疲労性などが出現すれば本症を疑う。

 本症特有の症状は存在せず、出現頻度の高い症状の組み合わせで診断する。臨床経過や咽頭培養、 ASO・ASKの上昇などでGASの先行感染が示され、主症状2つ以上か、主症状1つに副症状が2つ以上で本症と考える。

主症状

 心炎、多発関節炎、小舞踏病、輪状紅斑、皮下小結節

副症状

 臨床所見:関節痛、発熱
 検査所見:急性期反応([ミSR亢進、 CRPH14]
 心電図上PR間隔延長

2……治療

 抗菌療法として、ペニシリンGなどの抗生物質を10日間投与する。再発の頻度は高く、寛解後には抗生物質の再発予防投与が勧められる。

 抗炎症剤は、診断がつき次第アスピリンの投与を開始する。中等度以上の心炎をともなう際はステロイドが投与される。抗炎症剤の投与期間は、症状により異なるが、中止時には再燃に注意しつつ、2~6週間かけて徐々に減量中止する。

 心炎・弁膜症による心不全に対しては、酸素投与や強心剤・利尿剤が投与されるが、ジギタリス投与にあたっては中毒症状を呈しやすく、半量から開始するなどの注意が必要である。

 一般療法として、安静・保温は大切である。心不全をともなう重症の場合、心不全が鎮静化し、心拡大が落ち着くまでの数週間から数ヶ月の安静を要することもある。病勢の判定に血沈が有用とされるが、血沈の回復は遅れがちで、病勢に合致しないことも多い。

 小舞踏病に対する特別な治療はない。安静にして心身を安楽に保ち、不随意運動による外傷に注意する。症状により、ステロイドやフェノールバルビタールバルプロ酸が有効なこともある。


病歴聴取のポイント

咽頭痛など上気道感染症状先行の有無。

扁桃肥大、繰り返す扁桃炎の有無。

本人・家族のリウマチ熱の既往の有無。

 

入院中のケアのポイント
心炎・心不全出現を見逃さない。

尿量減少・呼吸困難などの心不全症状のチェック、新たな心雑音の出現のチェックなど。

安静遵守

症状が改善した後の長期の安静をいかに守ってもらうか、工夫が必要。

小舞踏病に対するケア

 刺激の少ない静かな環境を用意して、心身の安楽を保つ。

 不随意運動による外傷を避けるため、身辺に危険物を置かない、ベッド柵などにクッションを巻きつける、などの工夫を心がける。

 神経症状に対する不安も強く、精神的サポートが必要。


退院後のケアのポイント

抗生物質予防投薬の徹底

症状が消失した後に、長期に内服を続ける困難さに留意。

患者さんへの情報提供・教育 

弁膜症など後遺障害が残った場合、日常生活の制限や種々の薬剤の内服に対する指導、場合によっては弁置換術などについての情報提供や指導も重要となる。