読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

起立性調節障害(OD)の診断基準


 起立性調節障害(OD : orthostatic dysfunction)は、立ちくらみを主徴とする、自律神経失調に基づく一種の症候群と考えられる。小学校高学年から中学生によくみられ、発生頻度は3%~10%といわれている。

 0Dの発生は、起立時の末梢血管の収縮反応が充分に起こらないため、下半身に血液貯留が起こり、心臓への静脈還流量が減少する結果として、心拍出量の減少、血圧の低下、脳血流の減少が起きるためとされる。特に、朝方はこの血管の反射が起こりにくいために、午前中調子が悪いということになる。


1……診断

 診断は、表1に示した診断基準に基づいて行う。しかし、訴える症状は多彩で、他の疾患でもしばしばみられるものなので、貧血、循環器疾患、神経疾患、耳鼻科的疾患などを除外しておく必要がある。起立試験は、臥位と起立10分後の心拍数、血圧、心電図を記録して判定する。


2……治療

 治療としては、循環器症状(立ちくらみ、めまい、動悸など)の強いものには、昇圧作用を持つエホチール、カルニゲン、リズミック0などを服用させる。自律神経不安定症状(頭痛、腹痛、倦怠感など)が強いものには、ベレルガル、グランダキシンなどを投与する。頭痛が強ければ、メトリジン、ジヒデルゴットなどが有効なことがある。精神不安定症状(不眠、いらだちなど)が強い場合には、セレナールなどの精神安定剤の併用が効果を示すことがある。

 

入院時の病歴聴取のポイント

診断基準にそった問診とともに、これまでの治療歴についても詳しく聴取することが重要である。

親子関係や友人関係のもつれなどの心理的な背景が誘因となって発症することもあるので、きめ細かい問診が重要である。

 

観察のポイント

症状を訴えた時には訴えを注意深く聴くとともに、顔色の観察とか他の症状の有無に注意し、必要に応じて血圧測定、心電図の記録を行う。
管理指導のポイント

ODの発症機序をわかりやすく説明し、乾布摩擦や冷水摩擦などの鍛錬療法で効果がみられることを話して励行させてみる。また、腹筋を鍛えるのも一法である。

予後は良いが、充分な時間をかけて治す心構えが必要であることを話し、規則正しく、けじめをつけた生活を送るように指導する。




大症状

A 立ちくらみ、あるいはめまいを起こしやすい。
B 立っていると気持ちが悪<なる。ひどくなると倒れる。
C 入浴時、あるいはいやなことを見聞きすると気持ちが悪<なる。
D 少し動<と動悸、あるいは息切れがする。
E 朝な力ヽなか起きられず、午前中調子が悪い。

 


小症状

a 顔色が青白い。
b 食欲不振。
c 強い腹痛をと吉どき訴える。
d 倦怠、あるいは疲れやすい。
e 頭痛をしばしば訴える。
f 乗物に酔いやすい。
G 起立試験で脈圧狭小16mmHg以上。
h 起立試験で収縮期血圧低下21 mm目9以上。
i 起立試験で脈拍数増加1分間に21以上。
j 起立試験で立位心電図のT I。 IIの0。2mv以上の減高、
  その他の変化。

大1小3、大2小1、大3以上で器質的疾患を除外したものをODと判定する。