蕁麻疹の症状

 蕁麻疹の症状は、紅斑をともなった膨疹で痒みがあり、程度・持続時間はさまざまである。その病態は、真皮上層に存在する肥満細胞が種々の刺激によりケミカルメディエーターを放出することで始まる。ケミカルメディエーターのおもなものはヒスタミンであるが、ほかにもロイコトルエン、プロスタグランディン、ブラディキニンなどが含まれる。これらの化学伝達物質は、近くの真皮乳頭層の毛細血管・細静脈に作用し、血管拡張、血管透過性の亢進を起こす。血管拡張のため紅斑を、血液の血漿成分の組織への漏出のため膨疹を形成する。


1)急性蕁麻疹

 6週間~3ヶ月以内に消失するものをいう。感冒腸炎のような急性感染症にともなって発症することが多い。大部分は72時間~2週間以内に軽快する。

2)物理刺激による蕁麻疹(物理アレルギー)

 種々の物理的な刺激により皮膚の肥満細胞が刺激され、脱顆粒(ケミカルメディエークーの放出)、が起こると考えられる。

3)機械性蕁麻疹

 皮膚をこする(皮膚画描症)、たたく、圧迫する(下着、ハンドバッグの紐)などの機械的な刺激が皮膚に加わると紅斑および膨疹を生じるもの。

4)寒冷蕁麻疹

 皮膚が風や冷水などで冷えた時に、紅斑だけでなく膨疹も生じるもの。冬に多い。プールや海に飛び込んで皮膚が真っ赤になることでみつかることがある。 ice-cube test(アイスノンを15分間皮膚にあて、そのあと室温で10~15分放置する)により再現できることが多い。

5)温暖蕁麻疹

 温暖刺激で蕁麻疹を生じるもの。

6)コリン性蕁麻疹

 食事、運動、入浴などで体温が上昇すると蕁麻疹が生じる。発汗部位に一致して、細かい紅斑と膨疹を生じることもある。         

7)日光蕁麻疹

 紫外線のあたった部位に一致して蕁麻疹を生じる。日)アレルギー性蕁麻疹

 アレルゲンのはっきりした蕁麻疹。卵白、ミルク、ソバ、小麦、エビなどを摂取後、早ければ30分以内に蕁麻疹が出現する。抗生物質など、薬剤がアレルゲンとなることもある。皮膚の蕁麻疹だけでなく、症状が喉頭浮腫、気管支喘息、呼吸困難に進行する場合をアナフィラキシー、血圧低下をともなう場合をアナフィラキシーショックといい、緊急処置を必要とする。

9)慢性蕁麻疹

 6週間~3ヶ月以上持続する蕁麻疹で、アレルギー性や物理アレルギーの機序を否定できた蕁麻疹をいう。原因不明のことが多いが、最近慢性蕁麻疹の血清中にlgEのFCレセプターに対する自己抗体がみつかっており、自己免疫疾患としての一面があることがわかってきた。また、糖尿病、肝臓病、甲状腺機能低下症などの自己免疫疾患の一症状として、慢性蕁麻疹が出現することがあるので注意が必要である。


1……診断

 詳細な問診により、蕁麻疹の原因、増悪因子、発症状況を特定することができる。


1)アレルギー素因の検査

 好酸球数、ブリックテスト、 IgE値、 RAST値

2)物理アレルギーのスクリーニング

 ice-cube test、 皮膚画描症、輪ゴムテスト

3)自己免疫疾患、膠原病のスクリーニング

 抗核抗体、その他の自己抗体

4)その他

 補体(C  C4、 CHS )、 ciqインアクチベーター、寒冷凝集素、クリオグロブリン


2……治療

 ①皮膚への刺激を避ける
 ②抗ヒスタミン剤(内服・外用)、抗アレルギー剤


看護チェックポイント

ストレス、ライフスタイルに関係した蕁麻疹の場合は、カウンセリングなど心理的なアプローチが必要となる。