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薬物アレルギーとは

 薬物あるいはその代謝産物と、それらに対する特異抗体あるいは感作リンパ球との免疫反応によって生じる反応を薬物アレルギーという。

 症状は皮膚症状がもっとも一般的だが、造血器、肝臓、腎臓、消化器、呼吸器、循環器(ショック)など多臓器に及び、全身症状として発熱がある。皮膚症状は、皮膚掻痒感、蕁麻疹、固定疹、汎発性紅斑、多形滲出性紅斑、中毒性表皮壊死症など多彩な症状を呈する。EBウイルスなどのウイルス感染で、症状は修飾され増悪する。

 薬物自身は分子量が小さいのでハプテンとして働き、血清中の蛋白と結合してアレルゲンとしての作用を持つと考えられている。産生された特異IgEは肥満細胞、好塩基球のFCE受容体に結合している。このような状態でその薬剤が入ってきた場合、2分子のlgEが架橋され、その結果、肥満細胞、好塩基球が活性化され、ヒスタミン、ロイコトルエン、PAF(血小板活性化因子)などのケミカルメディエークーが放出される。このため、血管拡張、血管透過性亢進、気管支平滑筋収縮、気道分泌物亢進が起こる。症状としては、注射薬では十数秒~数分以内、経口薬でも1時間以内に蕁麻疹・浮腫、咳嗽、喘鳴、呼吸困難が生じる。血圧低下をともなう場合アナフィラキシーショックという。

 造影剤の点滴・静注は、 IgE抗体を介さず、①直接肥満細胞を剌激したり、

②補体系を介して肥満細胞を刺激してケミカルメディエーターを放出させ、アナフィラキシー反応を起こす。

1……診断

 診察と問診で薬物アレルギーを疑うことは容易である。しかし、確定診断は困難なことが多い。どんな症例でも皮疹と肝機能障害をみたら、まず薬物アレルギーは鑑別診断に入れておきたい。

1)アレルギー検査

 ブリックテストを行う。アナフィラキシーを起こした症例では禁忌である。

 RAST検査は血清中の特異lgE抗体を検出するのに有用だが、薬物に関してはまだ一般的でない。

2)リンパ球刺激試験(DLST)

 末梢血からリンパ球を分離し、候補薬剤と混合培養してリンパ球の増殖をみるもので、コントロールの200%以上を陽性とする。しかし判定・解釈が難しいことが多く、まだ改良の余地がある。

2……治療

 アナフィラキシーについては救急処置を必要とする。候補薬剤投与中止、気道確保、血圧維持が最優先。薬剤としては、抗ヒスタミン剤点滴、抗アレルギー剤内服、エピネフリン皮下注、気管支拡張剤吸入、アミノフィリン点滴、副腎皮質ステロイド剤点滴を迅速に行う。


○看護婦のなかに仏点滴用抗生物質を作成中、ナノグラムオーダーの滴が付着しただけでアナフィラキシー反応を起こす体質を有する者がいることを知っておく。

○薬物アレルギーの頻度は6~7%であり、小児はもっと少ないと考えられるが、アナフィラキシーを含めて確実に存在するので、緊急事態にいつでも対処できる体制をとっておく。