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脳腫瘍:星細胞腫、髄芽腫、脳室上衣腫、頭蓋咽頭腫、奇形腫・胚細胞腫

 脳腫瘍は、白血病・神経芽細胞腫についで多い。発生頻度は年間2。5/10万人、5~10歳に多い。神経腰腫群(星細胞腫、髄芽腫、上衣腫)、頭蓋咽頭腫、奇形腫・胚細胞腫の順に頻度が高い。発生部位では正中部が多い。

1……診断

 症状は腫瘍の解剖学的位置と大きさに関係する。テント下腫瘍では小脳失調と脳圧亢進症状(頭痛、嘔吐、頭囲の拡大)が多い。痙攣、内分泌障害、視力視野障害なども重要である。 CT、 MRI、脳血管撮影で画像診断する。

2……治療

 脳腫瘍は他臓器への転移が比較的少ないため、外科的治療が第一義的になる。脳室腹腔シャントなどで水頭症の治療を優先する場合もある。外科的治療以外には、放射線療法と化学療法がある。

脳腫瘤の種類と特徴

 ①星細胞腫:比較的分化度の高い膠細胞腫瘍。小脳半球・大脳半球に好発し、小脳星細胞腫はもっとも予後の良い腫瘍のひとつである。

 ②髄芽腫:小脳虫部に好発する未分化の悪性腫瘍である。閉塞性水頭症も合併しやすい。放射線療法や化学療法に対する感受性は比較的高いが、再発しやすく、髄液を介して脳の他の部位や脊髄に転移巣をつくり、予後不良である。5年生存率は約50%である。

 ③脳室上衣腫:脳室上衣細胞から発生し、脳室内へ発育する。第4脳室に好発し、しばしば石灰化をともなう。水頭症をともなうことが多い。脳実質浸潤もあるが、脳室内の部分は摘出除去が可能である。術後の放射線治療も大切である。

④頭蓋咽頭腫:頭蓋咽頭管の遺残により生ずる。下垂体ホルモンの分泌障害の徴候や視力視野障害で発見されることが多い。石灰化、嚢胞形成をともなう。水頭症を合併することが多い。全摘出が治療の目的であるが、発生部位・進展部位によっては亜全摘にとどまる。全摘出されたの場合でさえ再発率が高く、年長児では術後放射線療法を追加することが多い。術後、下垂体ホルモン・副腎皮質ホルモンの補充療法が必要になる。

⑤奇形腫・胚細胞腫:卵黄嚢期の遺残から生じる腫瘍。胚細胞腫は放射線療法が非常に有効である。

入院時の病歴聴取のポイント

O発症の時期と症状をたずねる。

O腫瘍の発生部位や大きさから、今後起こりうる神経機能の異常を予測し、担当医とともに家族に説明する。

O手術が第一義の治療であるが、手術そのものに対する家族の不安をやわらげるようにする。
頭蓋内反亢進が疑われる時期の観察のポイント

Oバイタルサイン、特に意識レベルの変化を的確に判断する。頭蓋内圧亢進の徴候(呼吸と脈拍数の低下、血圧の上昇、嘔吐など)が認められたら医師に連絡をとる。ただし、乳幼児では頭蓋内圧亢進が頭蓋の変形(大泉門の膨隆、頭囲拡大、頭蓋縫合線離開など)で代償されるので、観察には注意する。頭囲測定は定期的にする。

O水分出納、電解質異常に注意をはらう。脳浮腫対策に高浸透圧利尿剤(マンニトール、グリセオール)を使用することが多く、また、症状として嘔吐が多い。そのために、脱水や電解質異常が起こり得る。

その後の入院治療中の観察のポイント

脳神経、四肢筋力、協調運動など、運動神経機能について担当医の指導のもとに評価する。

術前術後の体位を指示通りに保つ。

日常スムーズな排便をはかる。直腸内圧上昇は頭蓋内圧亢進を引き起こすので、便秘の際は、緩下剤や坐薬を使用する。頭蓋内圧を亢進させる浣腸は避ける。

視野視力障害、運動麻痺を合併する場合、転倒転落などを予防する。