半陰陽とは:道下裂修復術と肥大陰核摘出術・膣形成術


 性腺と外性器の性的特徴が一致しない状態が半陰陽である。胎児期の外性器発達には男性ホルモンが重要で、男性ホルモンが働かない状態(男性ホルモン欠損・男性ホルモン不応症)の胎児外陸器は女性型になり、胎児期に男性ホルモン過剰状態にあった女性の外陸器は男性型に近づく。

 両性の性腺(卵巣と精巣)を同一個体がもつ場合を真性半陰陽、染色体と性腺が女性(46、 XX、卵巣)で外陸器が男性型様であるものを女性偽性半陰陽、染色体と性腺が男性(46、 XY、精巣)で外性器が女性型様であるものを男比偽性半陰陽と定義する。この疾患に遭遇するのは、出生時に性別判定困難な外比器の児としての場合と、思春期に無月経や二次性徴の異常を訴える児としての場合がほとんどである。

 早期診断・早期治療が原則である。すなわち、出生後できるだけ早期に社会的に男性として育てるか女性として育てるかを決定しなければならない(社会的性の決定)。人生の途中で性別を変更することは、戸籍の変更手続きの困難さのみならず、本人および家族に多大な精神的苦痛を与える。染色体の性(生物学的性)と、人格的性(もしくは精神的性)および社会的性とが同一であることが理想である。しかし、生物学的性は男性であるが、外性器を男性型に形成することが不可能な場合(成人時の陰茎サイズが立ち小便・性交が不可能なものである場合)に、社会的性を女性として生きていかざるを得ないことがある。また、人格的性の問題については未解決の部分が大きく、これからの重要課題である。

 残念ながら、思春期の頃に発見された場合には、それまで歩んできた人生の性(社会的性)を捨てることができない場合がほとんどである。

 診断は、染色体検査、性ホルモンの血液中濃度測定(基礎値、 hCGによる精巣組織刺激後のテストステロン値、 hMGによる卵巣組織刺激後のエストラジオール値)、 MRI・超音波エコー検査などによる骨盤臓器(子宮・卵巣)の確認により可能である。

 治療は、男児には尿道下裂修復術と男性ホルモン投与、女児には肥大陰核摘出術・膣形成術と女性ホルモン投与などがある。


観察のポイント

○副腎皮質過形成の場合、診断と治療の遅れは死を招く。医師の的確な診断が必要であるが、全身状態の観察を注意深く行うこと。特に、皮膚の色素沈着が著しい児と哺乳不良や吐乳の児では、この疾患を疑うべきである。

管理指導のポイント

○この問題は社会的救急疾患である。性別判定困難な外性器の児として出生した場合、出生届けを2週間以内に提出しなければならないので、迅速かつ慎重に対応しなければならない。

○家族と医療スタッフ(小見科医・形成外科医・泌尿器科医・産婦人科医と助産婦・看護婦スタッフとの連携)との充分な話し合いのもとに治療が決定されなければならない。

○家族の悩みは深刻である。言動には慎重でなければならない。