ダウン症候群:21番トリソミー(21番染色体が3本ある)


 知的障害、特徴的な顔貌、筋低緊張、先天性心疾患などの症状を示す染色体異常で、21番トリソミー(21番染色体が3本ある)によって引き起こされる。ダウン症の95%は21番染色体が完全に1本多い完全なトリソミー(標準型)であるが、3%は他の染色体との転座による部分トリソミー(転座型)である。残り2%は正常核型あるいは他の異常核型を持つ細胞を同時にもつ(モザイク型)。頻度は出生1000人にほぼ1人であるが、母親の年齢が大きいほど頻度が高くなり、40歳では70人に1人程度になる。

 医学的な記載はすでに19世紀半ばにダウンによってなされた。 1970年代以降、早期療育の有肘歐が明らかにされるようになり、また障害児に対する社会の受け入れが進むにつれ、学校や職場などへの完全参加が行われるようになってきている。

 合併症に対する外科的治療や、血液・内分泌疾患に対する内科的治療や健康管理が積極的に行われるようになり、ダウン症の生命予後、 QOLは飛躍的に改善した。

1……診断

1)身体所見の評価

 多くは生下時に明らかである。体格(SFD、小頭症)、顔貌(眼瞼裂斜上、鼻根扁平、耳介低位など)、四肢・体幹(猿線、短い第5指、低筋緊張)、内臓奇形(心奇形、小腸閉鎖など)。

2)染色体検査

 21番トリソミーの確認。転座型では親が転座保因者であることがある。

2……治療

1)染色体異常に対する治療はない。合併症の早期発見と治療が大切。

2)全員が検査を必要とし、治療が可能なもの。

 ①心合併症(約50%に合併):早期に循環器専門医の診療が必要。

 ②眼科・耳鼻科的合併症:白内障、屈折異常、斜視、浸出性中耳炎、副鼻腔炎など。

 ③甲状腺機能障害(約15%):多くは機能低下症だが、症状が軽微なこともある。

 ④環軸椎関節脱臼:歩行開始後早い時期にX線単純撮影。

3)必要に応じて診療が必要なもの:皮膚疾患(乾燥症)、消化器疾患(便秘、肥満)、血液疾患(白血病)。


診断時の看護ポイント

○診断の説明のおり方が、保護者の受容やその後の養育意欲に影響を与える。

○両親一緒のところで適切な時期(出来るだけ早い時期)に正確な情報を提供することが大切。


乳幼児期の看護ポイント

養育の支援と療育の勧奨。療育機関、親の会などの紹介。

月齢・年齢によって健康のチェックポイントが異なる。適切な問診と指導が必要。