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Vizamyl(Flutemetamol 18F):陽電子断層撮影で用いる検査用放射性薬剤

Vizamyl(18F-Flutemetamol[フルテメタモール]注入剤)がFDA承認されました。これはアルツハイマー病や認知症(Alzheimer's disease (AD) and dementia)患者の脳のPET(陽電子断層撮影)に用いる検査用放射性薬剤です。

 

認知症は脳の機能低下に関連しており、記憶力や判断力、言語能力、複雑な運動能力(complex motor skills)の低下をもたらします。アルツハイマー病により生じる認知症は、βアミロイドと呼ばれる異常なタンパク質の脳内蓄積、および脳細胞の損傷または死滅に関連しています。しかし、βアミロイドは、神経疾患(neurologic disease)を呈していない他の認知症の高齢患者の脳内でも確認できます。

 

Vizamylはβアミロイドに付着して、(ベータアミロイドの存在を確認するための)脳のPET画像をもたらします。ネガティブなVizamylスキャンは、ベータアミロイドがほとんど蓄積していないか、または存在しないことを意味するため、認知症の原因はアルツハイマー病ではないことになります。ポジティブなVizamylスキャンは、中程度の量から大量のアミロイドが脳内にあることを意味しますが、アルツハイマー病や他の認知症を確定するものではありません。また、Vizamylはアルツハイマー病と認知症の評価で用いられる他の診断テストを代替するものではありません。

 

FDA医薬品評価センター(FDA’s Center for Drug Evaluation and Research)の薬剤評価IV部調査官Shaw Chenは次のように述べています。「記憶や判断などの神経機能の悪化原因を特定するために毎年多くのアメリカ人を診察していますが、今後はアルツハイマー病と診断する可能性が高まるでしょう。Vizamylのような画像診断用薬剤は医師がアルツハイマー病および認知症の患者を評価する上で重要なツールです。」

 

Vizamylは、脳のPETスキャンでベータアミロイドを可視化するための第二の診断用薬です。2012年、FDAアルツハイマーや他の認識低下症の原因を評価するための薬剤としてAmyvid(Florbetapir F 18注入剤)を承認しています。

 

Vizamylの有効性は、384名が参加した2件の臨床試験で確認されました。すべての被験者を対象にVizamylを注射してスキャンしました。スキャン結果の一部は検体での確認も行いました。

 

試験結果により、Vizamyl は脳内βアミロイドを正確に検出することがわかりました。また、スキャンは再現可能であり、その読み取りも正確に行えることが確認されました。また、Vizamylの安全性は被験者761名で確定されました。

 

Vizamyl関連の安全性リスクは、過敏反応( hypersensitivity reactions )や診断画像の誤った解釈、放射線被ばく(radiation exposure)などです。主な副作用は顔面紅潮、頭痛、血圧上昇、吐き気、目まいなどです。

 

Dalvance:投与回数の少ないABSSSI治療薬

Durata Therapeutics社は本日、感受性をもつグラム陽性菌(susceptible Gram-positive bacteria)により生じる急性細菌性皮膚軟部組織感染症(acute bacterial skin and skin structure infections:ABSSSI;ABSSSI)の成人患者を対象とした治験薬『Dalvance (dalbavancin)注入剤』に関して、有効性と安全性を示すデータをもとにFDAの抗感染症薬諮問委員会(Anti-Infective Drugs Advisory Committee)が12対0で同薬の承認を支持したと発表しました。同委員会の意見が絶対的というわけではありませんが、FDAはDalvanceの新薬承認申請審査の一環としてこの結果を考慮します。2013年11月にはFDAが同薬の優先審査を認めており、その実行日程は2014年3月26日です。


「本日の諮問委員会会議で良い結果を得られたことに大変喜んでいます。FDAに承認されれば、DalvanceはABSSSIの初の週1回投与型抗生物質となります。FDAと協力して同製剤の評価を継続していきたいです。」と、 Durata Therapeutics の Chief Executive OfficerであるPaul R. Edickは述べています。

 

dalbavancinの全臨床プログラムにおいて21件の臨床試験を行い、3件のフェーズⅢ臨床試験では約3,000人の患者を対象としました。2つのフェーズⅢ臨床試験『DISCOVER 1』および『DISCOVER 2』(Dalbavancin for Infections of the Skin COmpared to Vancomycin at an Early Response)は、FDAとの特定プロトコール査定(Special Protocol Assessment[SPA])下で行い、1300名以上のABSSSI患者を対象としました。



Dalvanceについて


Dalvanceは第二世代の半合成lipoglycopeptideであり、グリコペプチドに結合した脂溶性の側鎖から成ります。承認されれば、週に一度の30分間静注を2回行うだけで済むABSSSIの初の医薬品になります(1日目に1000mg、8日目に500mg)。

Ryanodex(ダントロレン)の新薬承認申請をFDAが受理

Eagle Pharmaceuticals社は3月20日、 Ryanodex (dantrolene;ダントロレン)の新薬申請がFDAにより受理され、優先審査が認められたことを発表しました。

 

2014年1月、Eagle社は悪性高熱症(malignant hyperthermia)の治療薬の新薬申請をFDAに提出しました。2014年2月、FDAは条件付きで同社の商品名『Ryanodex』を認めました。Ryanodexはすでにオーファン・ドラッグ指定を受けており、Eagle社は同医薬品関連の特許を米国で3件所有しています。同社は承認後にRyanodexを商品化し、米国で独占販売権(exclusive marketing rights)を取得する予定です。

 

Eagle PharmaceuticalsのCEOを務めるScott Tarriffは次のように述べています。

 

「Ryanodexの使用で得られるベネフィットは深刻なケア状況において臨床的に有意なものです。Ryanodexの各バイアル(薬瓶)は麻酔科医が1分間以内に再構成できますが、既存品を用いる場合には約12個のバイアルを混ぜ合わせて投与しなければなりません。治療時間の短縮は患者アウトカムの顕著な向上をもたらします。さらに、既存薬では多くの投与量を必要としますが、Eagle社のRyanodexではその5%の量だけで効果を得られます。」

 

悪性高熱症について

 

悪性高熱症は、遺伝的に感受性の高い人が手術中に特定の麻酔薬を吸入した場合や、筋弛緩薬サクシニルコリン(muscle relaxant succinylcholine)の投与を受けた場合に生じる疾患です。この患者は頻脈(tachycardia)、高血圧、血中の二酸化炭素レベル上昇、発熱などを呈します。迅速な処置をとらないと代謝が亢進し、致命的な結果を招くことがあります。

 

翻訳でメシを食いたければ、最初の1年間で300~500社に連絡しよう

翻訳産業のディクショナリーを賢く使います。翻訳クライアントの評価リストは、登録先の翻訳者を探す上で重要ですが、それらの情報を悪用してはいけません。たとえば、ディクショナリーに記入されている連絡先に連絡してはいけません。必ずその会社のウェブサイトに訪問し、指定の応募方法に従ってください。

直接クライアントから仕事を受ける場合には、翻訳者を始める上でネガティブな面とポジティブな面があります。この業種への新参者にとっては、翻訳会社が提供するセーフティネットに頼るのもいいでしょう。例を挙げれば、翻訳会社から仕事を受けた場合には、エンドクライアントに訳文が送られる前に、必ず校正が行われることから、誤りを正すという重要な役割を委ねることができます。しかし、エンドクライアントは、とくに選べる翻訳者が多くない場合に、未経験の翻訳者に発注する可能性が高くなります。誰か特定の者と働きたがっているクライアントは、誰か新しい者と働きたいという意欲を持っています。

 

クライアントから直接受注したければ、自分の得意分野に関わる大企業や病院、学校に連絡するとよいでしょう。その際に明確な関係などはなくても問題はありません。

 

最適なクライアントは海外展開する自国の企業になるでしょう。なぜならそのような企業は英語以外の言語を使うからです。これらの組織の一員になるのも、潜在的なクライアントのネットワークを開拓する上で良い方法となります。自身の翻訳言語を使う企業をネットで検索してみましょう。

 

もっと部分的に考えた場合、とくに自身を履歴書よりもじかに紹介することを得意とする場合には、自分の地域にある翻訳または通訳会社に個人的な面談をお願いしてみましょう。翻訳業者について学んだり、自分がどのように対応するかについて話しあったりするは、両者にとって有益となります。現時点で自分の得意分野の案件がないと報告された場合でも、ニーズが今後発生する可能性にかけてみましょう。

 

多くの新米者が誤解することとして、10通の履歴書を送ればフルタイムで働けると思ってしまうということがあります。しかし実際には、実際にリターンがあるのは1%未満となります。もしフルタイムで働きたいのであれば、最初の1年間で300~500の潜在的なクライアントに連絡する必要があります。アメリカの翻訳会社や自身の言葉を話す国の翻訳事務所、自身のサービスを利用できる企業などに連絡する必要があります。

 

メールや電話を行うだけでなく、連絡を取り合うようにし、潜在的なクライアントから案件を相談されるのを待ちましょう。定期的に連絡し、自分がまだ興味があり、作業を開始できることを伝えます。自身が取り組んでいるプロジェクトの内容を知らせ、同様の仕事を喜んで引き受ける旨を報告しましょう。

AIH:治療上の問題

 

 わが国の診断指針,治療指針および国際基準にも記載されているように副腎皮質ステロイドが本症には著効を示す.AIHにおける病態形成が異常な免疫反応である自己免疫機序に依っていることを考えれば免疫抑制剤が効果を示すのは当然だが,特異的な免疫療法が存在しないことをも示している.この事実は他の自己免疫病患にもあてはまるが,副腎皮質ステロイドの投与により良好な経過が得られるため,さらなる選択治療法の問発の必然性が強くないことも新たな治療薬開発が低調である要因となっている.臨床的には現時点では診断が確定したら副腎皮質ステロイドを投与することとなる.わが国での全国集計では副腎皮質ステロイドの有効率は89%であるとされている.しかし,有効性が確認されなかった症例のほとんどが初期投与量30 mg以下であるか,あるいは初期投与量は十分量であったがその後減量が早過ぎて有効との判定が不可能となった症例である.すなわち,初期に十分量の投与を行い,かつ慎重な減量を行えばほとんどの症例は良好な経過を示すと考えられる.しかし,稀に副腎皮質ステロイドの治療効果が十分得られない症例も存在する.筆者らの経験ではアザチオプリンを併用することによりこうした副腎皮質ステロイド抵抗

性症例に対応可能である.欧米では副腎皮質ステロイドの長期投与による副作用が大きな問題となっているが,わが国においては治療が困難となる症例はそう多くない.また,減量あるいは離脱後の再燃も欧米で報告されているような重篤例は少ないようである.この要因としてはわが国には欧米で第一の疾患感受性遺伝子とされるHLA-DR3を保有するAIH症例が皆無であり,また若年症例が少ないなどが考慮されるが,詳細については今後経過を含めた全国集計により明らかにされることが必要であろう.一方, AIHと診断されたにも

関わらず,血液生化学所見がmildな症例もわが国では認められる.血液生化学所見がmildであっても,組織学的には活動性を示すことが少なからずあり,こうした症例では当然副腎皮質ステロイドの適応となる.胆汁酸製剤であり,原発性胆汁性肝硬変の生化学所見を改善することが知られているursodeoxy-cholic acid (UDCA)がAIH特に軽症例AIHに効果を示すことが報告されている.事実全国集計でもUDCAにて治療され,有効性が確認された症例も少なからず認められる. AIHに対するUDCAの作用機序の詳細は不明であ

るが, UDCAは多くの免疫調節作用を有することが明らかにされており,今後新たな治療法としての検討が期待される.

 

 わが国ではC型肝炎ウイルス血症を伴うAIH症例が存在することから,これら症例に対する治療法決定が重要である.令国集計での治療成績から,インターフェロン治療は必ずしも禁忌ではないことが明らかにされている.対処の詳細についてはあらたに示された治療指針に述べられているので参照されたい.

 

AIH:臨床的問題点

 

 

 AIHは従来juvenile cirrhosis と呼称されたことからも明らかなように炎症の活動性が高く,進行性の強い慢性肝炎である.欧米では診断時に肝硬変となっているものが30%以上を占めるとされている.しかし,わが国の全国集計によると,診断時,肝硬変とされたものは10%である.この相違が疾患感受性遺伝子背景の差異に関連するのか,あるいは他に要因があるかは現在明らかではない.わが国では診断指針に抗核抗休の陽性所見が記載されているため90%以上の症例が抗核抗休陽性である.全国集計の成績によると抗核抗体

陰性でAIHと診断された症例は27例5%にすぎず,そのうち67%は抗平滑筋抗体が陽性であった.抗平滑筋抗体陽性で抗核抗体陰性症例の診断時血清酵素は抗核抗体陽性に比し高値であることが明らかになっている.

 

しかし,その他には4型と抗核抗体陽性の1型の差異は認められず,分類の意義は明らかでない. LKM抗休が陽性の2型,C型肝炎ウイルスマーカーが陽性を示すいわゆる2b型はともにわが国では報告が少ない.また, SLA抗体が陽性である3型は検討例が少なく断定はできないものの,わが国では稀のようである.

 

 わが国ではC型肝炎ウイルス感染とAIHの関連が臨床的に重要な間題となっている. AIHの診断にあたっては原則的に既知の原因を有する症例は診断から除外される.この点からすれば,C型肝炎ウイルス感染が明らかな症例はAIHの診断から除外されるのが妥当である.しかしながら,わが国にはC型肝炎ウイルス感染を伴うAIIIが存在することが確認されている.全国集計によるとAIHの約!O%がC型肝炎ウイルス血症を伴うAiHとされている.臨床検査ではC型肝炎ウイルス症の有無で差異は認められていない.

 

 AIHには病患感受性遺伝子が存在し,欧米ではHLA-DR3カマ,わが国ではHLA一一DR4がそれぞれこれにあたることが示されている.興味あることに, HLA-DR4は欧米での第二この病患感受性遺伝子であることが報告されており1へHLA-DR4陽性の欧米症例はわが国同様,中高年女性に多く,また,疾患活動性もHLA-DR3陽性者に比しmildである.HLA-DR4が病患感受性遺伝子として仏 HLA-DR4を保有する個人がAIHを発症するわけではない. AIHの発症にはHLA一一DR4に連鎖不均衡にある他の遺伝子あるいは,環境因子の存在を考慮する必要がある.

 

 わが国では上述のように中高年者の発症が多く小児例の報告は少ない.また,高年発症例は増加していることも報告されている。 これら特徴的な所見の要因に関ずる更なる検討も今後重要である.

AIHにおける免疫異常

 

 AIHの発症に自己免疫反応が関与すると想定されており,免疫異常所見として多くの報告がなされている.自己免疫性肝炎では抗フグロブリン血症,自己抗休の存在よりB細胞機能亢進の存在があると推定される.事実, AIH症例の検討によりB細胞分化誘導能を示すB細胞活性化マーカーである可溶性CD23の血中濃度が高値を示すことが報告されている。

 

 AIHにおける肝細胞障害機序としては現在肝細胞表面に対する自己抗体を介したnon-T細胞を効果細胞とする抗体依存性細胞介在性細胞障害(anti-body-dependent cell mediated cytotoxicity: ADCC)およびT細胞(CD4またはCD8陽性T細胞)によるものが指摘されている.いずれの機序による細胞障害であっても,その発現にはヘルパーT細胞によるヘルプを必要とする.AIH症例の生検肝組織での浸潤リンパ球のT細胞サブセットはCD4陽性T細胞が優位でウイルス肝炎に比しCD4/CD8比が高いことが報告されている。

 

 さらに,肝内浸潤リンパ球から樹立されたT細胞クローンは平均80%以上がCD4陽性を示し,ウイルス肝炎ではCD8が優位である事実と相違が認められている。 さらに,マイトゲン刺激によるサイトカイン産生を検討すると,AIHの肝内浸潤T細胞ではウイルス肝炎に比し,IL一10の産生か亢進しており,これら事実からTh2サブセットがAIHでは優位となっていると考えられる.すなわち, AIHでは炎症の場である肝内のThクローン存在が特徴的であり,このクローンの存在がAIHの病態形式に重要な役割を果たしていると思われる.

 

 一方, AIHでは血沈の亢進, CRP高値などがウイルス性慢性肝炎に比し高頻度で認められる.C型肝炎ウイルス感染の診断が困難であった白己時期に提唱されたわが国の診断基準ではこれらの点に注目し,診断上の副所見として取り扱った経緯もある.実際, AIHの肝組織ではこうした急性炎症にかかわる炎症性サイトカイン, IL 1β, TNFα, IFN- γ,ケモカインなどの発現が高いことも示されてきている.すなわち,IL6を誘導し,急性期蛋白を,IL-1β, TNF-αはプロスタグランジン産生を介して発熱作用を示す.しかし,これらのAIH病態形式における意義についてはまだ不明の点も多く,今後さらなる検討が必要であろう.

 

 免疫学的な肝細胞傷害の引き金となる対応抗原については,従来より,多くの検討が加えられている.当初肝細胞特異抗原として報告されたliver specif-1C protein (LSP)は多数のペプチドを含む肝可溶性分画であり,対応抗原とは言いがたい . LSP分画に含まれるasialo-glycoprotein receptorに対する抗体が自己免疫性肝炎で高率に認められ,かつasialo-glycoprotein receptorは肝に特異的に認められる受容体であることよりAIHの標的抗原として注日された.しかし,この抗体はウイルス肝炎でも陽性を小す場合があり,また,リコンビナント抗原を用いた場合,C型ウイルス肝炎での陽性率がやや高いとの報告もある.戸田らII)は,肝細胞膜不溶性分画に対する抗体が自己免疫性肝炎患者血清中に存在することを示し,その対応抗原がsulfatideであることを明らかにしている.抗Sulfatide抗体の出現はAIHに特異的であるが, sulfatide自体は肝での含量は少なく, sulfatide抗体自体に病因的意義を付加することには困難がある.しかし, sulfatide抗体はヘパリンと交叉反応を示すことから,内皮細則障害を誘導性があることが示されている.

 

 分子免疫学の進歩により,抗原提示とそれに引き続く免疫応答の詳細が分子レベルで明らかにされてきている.内因性抗原物質であれ,外因性抗原物質であれ,抗原としての表出は,細胞内プロテオソームによる蛋自の分解によるペプチド化とHLAの結合が重要である.抗原提示過程に関与する遺伝子としてLMP, TAPなども知られてきている.興味あることに,これら遺伝子はいずれもMHC遺伝子近傍に存在する事実である.抗原提示機構の細胞内プロッセッシンダが遺伝的にも規制されている可能性は,従来検討されてきた方

法論によるAIHに特異的な対応抗原検索の変換を余儀なくさせることとなっている.今後,細胞内プロッセッシングを踏まえたAIHに特異的ななHLA上に表出されたエピトープの同定にむけての検討が重要である.一方,特異抗原を認識するTリンパ球側からの検討も現在進められている.筆者らもAIH症例の生検肝組織から分離した単核球のT細胞受容体のVβレパトアを検討し , AIH発症初期症例では一定のクロナリティーを示すことをシーケンス解析により報告している.しかし,クロナリティーは存在するものの,特定レ

パトアの存在は明確にできていない.興味あることに,経過を観察し得た症例ではレパトアの変化が観察される.この事実は,他の自己免疫疾患でも明らかにされているエピトープの抗原決定基・スプレッディングが , AIHでも生じる可能性を示すとともに,臨床例での特異的対応抗原検索の困難を示しているともいえる.